2006年07月30日

ゲド戦記

○TALES FROM EARTHSEA
○ファンタジー/ドラマ[◆◆◆◆◇◇4/6]
○2006日本/115min/スタジオジブリ・東宝/公開2006/07/29
ged_poster.jpg
映画館に行くたびに、予告編で「テルーの唄」を聴かされたせいでしょうか、「ゲド戦記」という物語のあらすじしか知らず、キャラクターの全体像もわからないまま、あの手嶌葵の歌声に完全にやられて観に行った感じです(笑)
その「テルーの唄」の作詞は監督の宮崎吾郎、作曲は谷山浩子
詞は萩原朔太郎「こころ」から着想を得たらしいのですが、谷山浩子の曲と手嶌葵の歌声で表出されたこの詞の風景、特に1番は、孤独な心を見事に表現していて、なんとも繊細な心を持った監督だなと思い、「テルーの唄」のこころを、映画の中でどう表現してくれるのか気になっていたのは確かです。
『テルーの唄の一番』

夕闇迫る雲の上 いつも一羽で飛んでいる
鷹はきっと悲しかろう
音も途絶えた風の中 空を掴んだその翼
休めることはできなくて
心を何にたとえよう 鷹のようなこの心
心を何にたとえよう 空を舞うよな悲しさを


「ゲド戦記」そのものは1〜5巻と外伝からなっているそうで、あらすじからすると、この映画の舞台の原作は、第3巻:さいはての島へ なのでしょう。この映画のテーマは、 「内なる光と影」と「世界の均衡」とのこと。今の世界に投げかけるには最適なテーマと考えられたのかもしれません。115minでは、とても時間が足りなかったと思いますが、テーマに向かってまじめに表現されていたと思います(ちょっとストレートに攻め過ぎたような気もしますが…)。アレンの心の苦しみやクモの心の闇の部分の表現がいまひとつでしたので評価としては4/6になっていますが、抽象的な、あるいは体躯や顔の表情だけでは、彼らの心を表現するのは難しかったかもしれません。
この映画を観ただけで推測するのは拙速ですが、「ゲド戦記」とは、もしかしたら心の戦いの記録を描いたファンタジーの世界なのかもしれないと思え、一度原作を読んでみようか…という気持ちになりました。

しかし、女性だとばかり思い込んでいた”クモ”が男だったとは…映画を観た後に知りました(汗)



監督: 宮崎吾朗
原作: アーシュラ・K・ル=グウィン
原案: 宮崎駿 『シュナの旅』(徳間書店刊)
脚本: 宮崎吾朗 丹羽圭子
制作: スタジオジブリ
 
声の出演:
岡田准一 アレン
手嶌葵 テルー
田中裕子 クモ
香川照之 ウサギ
風吹ジュン テナー
菅原文太 ゲド



ラベル:映画
posted by J.T. at 21:55| 東京 ☁| Comment(9) | TrackBack(17) | 鑑賞した映画2006 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは♪

>「ゲド戦記」とは、もしかしたら心の戦いの記録を描いたファンタジーの世界なのかもしれない

1巻しか読んでないですが、確かに原作はその通りです。
慧眼、素晴らしい!
いろいろ欠点は多い映画ですが、全体的なイメージは嫌いじゃないと思えるものでした。TBさせていただきます。
Posted by かずは at 2006年08月01日 21:33
かずは さん。

>慧眼、素晴らしい!

深く洞察してるわけでもなく直感的に感じただけなのですが…ありがとうございます。
今日から「ゲド戦記」を読み始めました。文章の感じも割りとタンタンとした翻訳ですね。ページを何度も戻してアースシー世界の地図みながら、物語が展開されている場面を想像しつつゆっくりと読んでます。
Posted by J.T. at 2006年08月01日 22:22
原作を読み始めたんですね?
やはり、じっくりと進む物語なんですね〜。
映画にするというのは、なかなか大変だったのでしょうね。
むずかしいものですね。

クモは吹き替えの田中裕子の声が良かったので、どうしても最初女だと思っていました(笑)しかしエライ変化を遂げていくので、確かに梅図かずおを思い出しました〜(笑)
Posted by ぷちてん at 2006年08月03日 22:51
ぷちてん さん。

そうそう、クモは絶対に男性に見えなかった(笑)

原作のほうは、まだ1巻の「影との戦い」の途中ですが、なかなか味のある作品のようです。ロード・オブ・ザ・リングを読んだときは、細かい描写に驚きましたが、ゲド戦記は、あまり視覚的な描写は無いけど、一文一文に無駄がないと言うのでしょうか、読者が文章から独自の想像を巡らすことの出来る表現だし、意外と含蓄のある言葉も多いので楽しんで読んでいますよ。
Posted by J.T. at 2006年08月03日 23:27
原作者が激怒!ジブリの嘘宣伝が壊滅!

http://www.ursulakleguin.com/GedoSenkiResponse.html



>I am told that Mr Hayao has not retired after all, but is now making another movie. This has increased my disappointment. I hope to put it behind me.

私は、ハヤオ氏が結局引退しなくて、現在もう一つの映画を製作していると話されます。これは、私の失望を増やしました。私は、私の記憶の彼方にそれを置くことを望みます。

>I wonder at the disrespect shown not only to the books but to their readers.

私の原作だけでなく私の原作の読者も軽蔑している。それに驚きます。
Posted by スポーン at 2006年08月14日 18:34
こんにちわ!&初めまして。
誠に勝手ながらTBさせて頂きました。

酷評の限りを浴びている状況で観て来ました。
個人的にはそんなに酷いとは思わなかったのですが
確かに意味不明なコトが多く、終わってもスッキリ
する事が無く、残念な作品でした。
続編に期待したいところですが、それも無理なようなので
吾郎監督の次回作に期待しています。(^_^;)

今後とも宜しく御願い致します。m(__)m
Posted by cocos at 2006年10月02日 02:29
cocosさん。こんばんは。
TB&コメントありがとうございます。
そうですよね。
ほんと、私も残念な作品になってしまったと思ってます。
映画を見た後、ゲド戦記を読みましたが、
なかなか面白い作品でしたよ。
欲張らずにしっかりと描いて欲しかったです。

>今後とも宜しく御願い致します。m(__)m

こちらこそ、よろしく願いします!
Posted by J.T. at 2006年10月02日 21:36
J.T.さん、こんばんわ。
今日、新聞で、朔太郎の詩との関連で荒川洋治氏が文句を言っているとの記事を読みました。荒川氏は05年「朔太郎賞」を受けているのですね。私も朔太郎は好きな詩人です。でも、JTさんの記事ではちゃんとそのことに言及していたように記憶していたので、いいじゃないかと思ったのですが・・・この映画、8月9日に見たのです。父と息子の葛藤が、映画の中でも外でも印象的でした。
Posted by Bianca at 2006年12月07日 18:38
Bianca さん。こんにちはー
詩のことで色々と論争があるんですね。ビジネスが絡んでるからしょうがないんでしょうが、いい言葉をどんどん広げて行くことは本当はいいことなんですけどね。きちんと断ってるわけですし・・

映画の中と外で父と子の葛藤、うんうん。
的を得てますね。
Posted by J.T. at 2006年12月11日 23:43
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