2006年10月04日

カポーティ

○CAPOTE
○ドラマ/伝記/犯罪[◆◆◆◆◆◆6/6]
○2005/114min/アメリカ/SPE/日本公開2006/09/30
CAPOTE.jpgPhilip Seymour Hoffman.素晴らしい演技でした。
この映画、今年の初めから見たくて待ちきれなかった作品です。冬の終わり、アカデミー賞主演男優賞が決まった後、今秋公開と聞いてずいぶんと長く待たされるなと思ったものです。

トルーマン・カポーティ(”ティファニーで朝食を”の原作者で当時[1950〜1960年代]の社交界でもセレブ中のセレブと言われた作家)が、「冷血 - 原題 IN COLD BLOOD」という一家4人惨殺事件の詳細を描いた作品を書き上げるまでの事を映画化したものです。

脚本のダン・ファターマンと監督のベネット・ミラーは、フィリッフ・シーモア・ホフマンの10代からの友人であり、ホフマン自身の製作会社クーパーズ・タウン・プロダクションの第1回製作作品でもあるんです。

娯楽作品ではありませんが、殺人事件を、ノンフィクション作品として仕上げるまでの数年に渡る取材の中に起こったドラマであり、伝記でもある、バランス良い作品です。 (ドラマは、犯人のペリーやパートナーのジャック、カポーティの幼馴染であり取材の助手もしたネル、事件の捜査官アルヴィンとの間に展開されます)

更に、映画の骨となるカポーティ自身の葛藤と、彼と犯人ペリーとの間に揺れる心のやり取りは、鬼気迫るものがあって、2者間の葛藤の作品としても良いものに仕上がっていました。

殺人事件をめぐる物語ですから、多少ショッキングなシーンも出てきます。
好評価なのは、私の思い入れも大きいのかも知れません。
しかし、作品のそのものに好き嫌いがあったとしても…、そしてホフマンファンならずとも…、見ておいて損をしない名作であることは間違いないと思っています。

ちなみに、犯人のペリー・スミスを演じたクリフトン・コリンズJr。カポーティに裏切られたのでは?と、狂気の潜んだ目をほんの一瞬煌かせた時は、背中がゾクっとしました。私は”トラフィック”での彼が印象に残っていますが、ホフマンの相手役として抜擢されただけあって、なかなか存在感のある役者です。



監督: ベネット・ミラー
原作: ジェラルド・クラーク
脚本: ダン・ファターマン
撮影: アダム・キンメル
衣装デザイン: カシア・ワリッカ=メイモン
編集: クリストファー・テレフセン
音楽: マイケル・ダナ
 
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン(トルーマン・カポーティ)
キャサリン・キーナー(ネル・ハーパー・リー)
クリフトン・コリンズ・Jr(ペリー・スミス)
クリス・クーパー(アルヴィン・デューイ)
ブルース・グリーンウッド(ジャック・ダンフィー)

ラベル:映画
posted by J.T. at 23:21| 東京 ☁| Comment(20) | TrackBack(6) | 鑑賞した映画2006 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
JTさんの期待にたがわぬ出来でおめでとうございます!
 映画化もされた「アラバマ物語」の著者ハーパー・リーがネルで、今原作を読んでいますが、幼い日のカポーティも登場するのです。私は実際の殺人事件となると二の足を踏む方なので、主人公をとりまく、ジャックやネルといった「男らしい」(常識的な)存在の方に共感しました。単にゲイというだけでは理解できない人物です。
Posted by at 2006年10月05日 08:58
こんにちはー

>JTさんの期待にたがわぬ出来でおめでとうございます!

お名前がないのでどなたかは分からないのですが、ありがとうございます。
ホフマンファン丸出しのレビューでした(笑)
「アラバマ物語」を読まれてるんですか。原作はどんな感じなんでしょうか…

確かにカポーティという人物は特殊な人だったようですね。とにかく抜群の話術と記憶力加え、人の心に入り込むの能力に長けた人だったようで、有名になる前から相当の人脈もあったようです。
才能の延長で”あの賞賛と大いなる苦しみ”を体験することになったのでしょうが、ネルがカポーティに対して言った”ほんとうは、助けたくなかったのよ”という一言は、グサリと彼の心に突き刺さったに違いありません。
私も彼に共感はできませんが、ホフマンはその彼を見事に描いたと思いましたー
Posted by J.T. at 2006年10月05日 21:47
血みどろシーンがなくてもカポーティ自身がある意味で「冷血」でしたね。それを演じたホフマン最高ーでした。確かにあの作品を書いた後カポーティはなにも書かなくなったとありましたが納得です。己の「冷血」をすざましく感じたのでしょうか。
Posted by claudiacardinare at 2006年10月06日 01:54
名前を入れ忘れていました。スミマセン。私は、作家カポーティの初期の作品が一番良いと信じ、有名になってからの彼には、なじめないもので。JTならびにホフマンさん、ごめんなさい。映画「アラバマ物語」も大好きでしたが、カポーティが評価しない口振だった理由の一端が今回分りました。原作があまりにもスバラシイから。ネル・ハーパー・リーは「冷血」の取材に付き合いつつこの本を書いて、5年も早く(1960年)出版しています。彼女は一生、これ以外、書いていないんです。これ以上のものは書けないと信じて・・・この本を読むと、子供時代の彼らの、夏の日の冒険を書いているだけですが、カポーティが何故、「冷血」を書くにいたったかが、そして筆を絶つ未来までもが、予測されるという、恐るべき洞察力に充ちた本です。彼女が「生まれ落ちてすぐ字が読めた」という伝説が納得行く程・・映画では地味な女性でしたが、すごい人。私はこれを発見したことだけでも、見て良かったと思いました。とあくまでも勝手なBiancaの言い分でした。
Posted by Bianca at 2006年10月08日 10:46
またまたコメントさせて頂きます。私のブログの方にも書いたのですが、アメリカで来週から「Infamous」が公開されます。これ実は「Capote」と同じなんです。「冷血」執筆について。んーーーー????見比べも面白いかもしれません。
Posted by claudiacardinare at 2006年10月08日 10:56
claudiacardinare さん。
こんにちはー

>己の「冷血」をすざましく感じたのでしょうか。


ほんと、カポーティ自身が自分の「冷血さ」を最も感じたのではないかと思います。カポーティも最初はそういうつもりではなかったのでしょうが…。

>アメリカで来週から「Infamous」が公開されます。

今、トレイラーを見ました。ほんと驚きです!!なぜなんでしょうね…。並行して企画が進んでたのだとは思いますが。
でも、トビー・ジョーンズがカポーティ、新ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグが犯人のペリー・スミスで、二人のキスシーンもあるとか。「カポーティ」よりも犯人との情感的な部分が描かれているのかもしれませんよ。
それと、カポーティには出てこなかったペギー・リー役でグウィネス・パルトロウ、サンドラ・ブロック、シガーニー・ウィバー、イザベラ・ロッセリーニと、女優陣が華やか。私も???ですが、興味沸いてきました!
Posted by J.T. at 2006年10月09日 16:41
Biancaさん。
こんにちはー

先のコメントの件、きっとBiancaさんだろうなと思いながら、間違ってしまったらいけないと思って、念のためああいう表現にさせていただきましたー、悪しからずです。

>有名になってからの彼には、なじめないもので。JTならびにホフマンさん、ごめんなさい。
いいえー、ぜんぜん問題ありません。私は映画でのカポーティしか知りませんので、作家としての彼のことについて知ってる方から意見が聞けるのはとっても参考になります!ありがとうございます。

それに、「アラバマ物語」の感想ありがとうございます。なかなか完成度の高い作品みたいですね。読んでみたくなりました。映画の中では、この本の成功を祝ったシーン以外は彼女自身のことにはあまり触れられていませんでしたが、興味を惹かれる存在でした。
claudiacardinareさんから頂いた情報では、同じく「冷血」を書き上げたときの映画「Infamous」が、アメリカで上映されるらしいです。「カポーティ」ではネルの役をキャサリン・キーナーが演じていましたが、こちらは彼女の役をサンドラ・ブロックがやるそうですよ。どんな風に演じるのかも楽しみです。
Posted by J.T. at 2006年10月09日 17:18
⊃`ノ八"`ノ八_〆┤'-'*├
まだ これは 公開の「こ」の字もまだなので(11月かな・・・?きっと) レビューは観ないでおきます(笑)
ところで リンクの件 有難うございましたぁ (..)(^^)(^。^)(*^o^)(^O^)ウレシーーー!!
私の方も させていただきました。
どうぞ これからもず〜っと宜しくねちゅ!(笑)
Posted by とんちゃん at 2006年10月12日 23:54
とんちゃん さん。
こんにちはー
まだ、そちらでは公開されてないんですかー。
私のは、ホフマンファンの偏ったレビューですけど(笑)、映画を観終わったら読んでみてくださーい。
ところで、こちらこそリンクありがとうございましたぁ。
こちらこそヨロシク!で〜す。
Posted by J.T. at 2006年10月13日 23:15
JTさま
こんばんわ〜
実はこのほど、私めも
ブログを作りましたので、お暇の折、お寄り下さいませ。
Posted by Bianca at 2006年10月14日 20:45
Biancaさん。
こんにちはー
早速BLOG拝見しました。サブタイトルをみると、映画や本を中心としたBLOGになりそうですね。ほんと、楽しみにしてますので、ちょくちょく寄らせて頂きます!
Posted by J.T. at 2006年10月14日 23:13
こんばんは☆
毎日、ブログ覗いてるんだけど更新が止まっちゃってるので心配してます。
お仕事忙しいだけならいいのですが・・・

大丈夫ですか!?
Posted by お嬢 at 2006年11月12日 18:32
お嬢さん、こんにちは。
ご心配かけてすみませんでした。
毎日覗いてくれて、ほんとありがとう。そうとも知らず・・失礼しました。
今は映画から遠のいてますが、私の活力源でもあるので、落ち着いたら、また見はじめたいと思います!
Posted by J.T. at 2006年11月16日 00:36
こんにちわ、お変わりありませんか?
TBを、試して見ました。
映画の記事が見当らないので。
Posted by Bianca at 2006年11月21日 12:13
JTさん
トラックバック試しに送ってみたのですが、どうなっていますか?
本の記事ですので、不適当かもしれません。
Posted by Bianca at 2006年11月23日 19:24
Bianca さん。こんにちは。
トラックバック、残念ながら届いてないようです。おかしいですね。他の方へ届いてるのであれば私のほうになにか問題があるのかもしれませんが・・・
Posted by J.T. at 2006年11月23日 22:09
こんばんは〜♪
コメント有難うございました★

J.Tさんが賞賛するのもわかります。
F.S.ホフマンの演技は満点パパ(←古っ!知ってます?^^)でした。
本人(トルーマン)を知らないけどこんな感じだったんだろうなぁ・・・と思いつつ
役に入り込んでいましたよね。
しゃべり方もそうでしけど、仕草も良かったです。
物語は、ペリーの事件にもっと突っ込んで描いて欲しかったかなぁというのが本音です^^
事実なのでいたしかたないのでしょうけど
勿体つけて・・・殺した理由が、理由なのでトルーマンが同情する所が素直に納得できず、残念でした。
Posted by とんちゃん at 2006年11月29日 02:39
とんちゃん。こんにちはー
”満点パパ”知ってますよ〜(笑)
この映画、私はフォフマンの演技ばかり見ていたような気がします(汗)
DVDを待たなくてはならないけど、
もう一度じっくり観てみようと思ってるんですよ。
私自身、実はペリーとカポーティの間の情感を感じ切っていなかったような気がしてるんです。その変の微妙なところをじっくり見てみたいんですね。
Posted by J.T. at 2006年11月30日 23:45
TB有難うございます。私のほうからも、先日させていただきました。ところで、JTさん、どこにいらっしゃるのでしょうか??おっと、これは愚問ですね。
Posted by Bianca at 2006年12月12日 00:15
Biancaさん、TB成功しましたね。
こちらからもどんどんさせて頂きます。

>JTさん、どこにいらっしゃるのでしょうか??

相変わらず劇場にはいけませんが、
今日は、自宅にいますよ〜
Posted by J.T. at 2006年12月16日 14:58
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