2007年01月07日

欲望

○BLOWUP
○サスペンス/ドラマ [名作]
○1966イギリス・イタリア/111min/MGM/公開/1967/06
blowup.jpg
ミケランジェロ・アントニオーニ監督の作品で、40年程前につくれらたものです。DVDが書棚に埋もれていたのですが、昨日やっと見ることができました。

正直言って「面白い」とはいえない作品ですが、評論家の解説つきで、アントニオーニ監督の目指したこと、1960年代のロンドンの「気分」、エポックメイキングになったシーンやセリフなどを具体的に作品のシーンの中で紐解いてくれるので、芸術系の作品が苦手でも別の楽しみ方ができそうです。これはDVDの良いところでもありますね。
ストーリーは、ある若手写真家(女性蔑視や脅しはするし、性格が良くなかったなぁ)が公園で盗み撮りした写真の中から殺人事件を発見してしまい(写真を、引き伸ばして(BLOWUP)見つけることから、この原題名が付いてます)、それを自分以外の人に知らしめようとしますが、物的証拠が次々と消え、目にした事や推理した事実が曖昧模糊となり、虚構と真実の間をさ迷うことになるというもの。

長まわしや展開のテンポを作るためのカットや視点(カメラ位置)の使い方が凝っていたり、監督の想いを表現するためにシーンの中に出てくる人間達の行動が不自然だったりするので、映画の世界に入ったり弾き飛ばされたりとちょっと辛抱がいりますが、テーマを掘り下げる姿勢や、それに伴った映像的なこだわりがひしひしと伝わってきますので、作りこまれているなあという感じがします。今では珍しくありませんが、当時としては革新的な性描写やパーティでマリファナを吸うシーンなどが話題を呼んだとか…やはり面白いかどうかよりも、ある種の「名作」として位置づけられる作品なのかもしれませんね。

こういう映画を観ると、人間の視覚や聴覚の特性に沿った、ある意味無駄のないシーン作りを駆使した最近の娯楽映画と言うのは、ほんと”観客に優しく”作られているんだなぁということを実感させられます。疲れさせず、リズムにのった展開で飽きさせずというのは商業的に成功するコツでしょうし、作品の良し悪しは別として、システム化されているのはある意味すごいことです。

音楽はハービー・ハンコック。
音楽なしの部分が多かったのでちょっと残念なんですけどね。



監督: ミケランジェロ・アントニオーニ
製作: カルロ・ポンティ
原作: ジュリオ・コルタザール
脚本: ミケランジェロ・アントニオーニ
    トニーノ・グエッラ
    エドワード・ボンド
撮影: カルロ・ディ・パルマ
音楽: ハービー・ハンコック
 
出演: デヴィッド・ヘミングス
    ヴァネッサ・レッドグレーヴ
    サラ・マイルズ
    ジェーン・バーキン
posted by J.T. at 05:11| 東京 ☀| Comment(5) | TrackBack(0) | 映画トピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
J.T.さん今日は。これ昨秋に見ました。
「性格が良くなかったなぁ」に笑いました。記憶では
当時は若い男には珍しくない型だったように思います。
そしてまたあの頃は「観客に優しく」ない
鬼面人を脅かすような映画が「芸術的」
ともてはやされていたんですねぇ。
先日見たベルイマンの「野いちご」「ペルソナ」にも、
ギョッとするシーンがいくつかありました。
Posted by Bianca at 2007年01月07日 16:11
J.T.さん、遅くなりましたが、明けましておめでとうございます!今年も映画情報楽しみにしております^^

ところで、「欲望」は10年くらい前に観ました。「愛のめぐりあい 」の公開のタイミングだったのでしょうか、「さすらいの二人」とか「砂丘」とか一挙に観た記憶があります。
Jバーキンも好きですし、ビジュアルを楽しんだという感じですが、ストーリーとしてはちょっと判りにくいですよね。。。でも仰る通り当時のロンドンの気分を知ることができる1本ですよね。
Posted by hiroko at 2007年01月07日 19:06
Biancaさん。こんばんは。
ほんと、前半は全く感情移入できない主人公でした(笑)
テレビの目覚しい進出もあってか、当時の映画界は色々な試みがされたようですね。それでも、この作品はMGMからオファーがあって作った作品のようで、大分”観客に優しく”(笑)作られてるとか・・・
それにしても、アントニオーニもベルイマンも息が長いですね。昨秋公開されたベルイマンの「サラバンド」はどんな作品なんでしょうか…観られなかったのが悔やまれます。
Posted by J.T. at 2007年01月07日 21:28
hirokoさん、こんばんは。
こちらこそ、本年もヨロシクお願いします!

なるほど、「愛のめぐりあい 」が公開された時に彼の作品を続けて見られたんですか。

ジェーン・バーキンは、モデルにあこがれた女の子の役で、主人公にいいように弄ばれた役でしたが、とっても初々しかったですねー
それに複数のモデルを使っての撮影の時はファッション雑誌の様でしたし、スタジオ内のシーンは画面全体にピントが合っていたのでより絵画の様にきれいだったのかもしれませんね。
Posted by J.T. at 2007年01月07日 21:38
J.T.さん、「サラバンド」は、見ていないのです。見る気がおきなくて。
Posted by Bianca at 2007年01月09日 12:19
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