
この映画で最も印象に残った一言です。
フェルメールの作品 「真珠の耳飾の少女」
通称、「青いターバンの少女」にまつわる物語の映画化なんですね。
この作品を見た後に、この絵をみると、なぜこの絵の少女が息づいているように見えるのかが分かるような気がします。
少女グリートを演じたスカーレット・ヨハンソンの中世的な透明感と、彼女がまとった使用人の衣装が醸し出す清楚な雰囲気も良かったのですが、映画全体の画像の雰囲気も、色彩と光の陰影がとても素晴らしく、シーンシーンが一つの絵画にさえ感じられる画面になっていました。
かといって、美術だけに気を使いすぎてバランスを欠いた作品になっていないところも好感がもてた所です。
私は絵画に詳しくは無いのですが、フェルメール作品の中で、遠近法と光と影を駆使した作品群は古さを全く感じさせなくて、その構図や色使い、緊張感のある空間と絵の中の人の表情のユニークさは、300年以上前の17世紀画家のものとは思えないほど透明感があります(と、言っても17世紀の絵画の傾向を知ってるわけではありません 笑)

なんとなくアンバランスに見えるその風貌は、見ればみるほど他の作品に見られるような、少し引いた視点は感じられず、自分の想いにのめり込んでるような気がします。
少女の表情も、心を許したものだけに向けられる柔らかい表情に見えるから不思議ですね。
こちらをしっかりと見つめる目線から、自画像では?と推測する人もいるようですが、自分を見つめる目はこんな柔らかくはならないような気がします。
やはり、私は…
映画の中で少女グリートが言った問いに、
素直に
こころまで 描いていました。
と、いえる絵のような気がします。
映画は、グリードが使用人としてフェメールの家に勤めるところから始まります。
ストーリーの説明は公式HPなどに譲りますが( 書く時間が無いのが正直なところ 汗 )
スカーレット・ヨハンソン以外で、映画の中で存在感があったのは、画家のパトロンのファン
ライフェンを演じたトム・ウィルキンソンと、一家を支えるためにフェルメール(コリン・ファース)と彼の妻カタリーナ(エッシィ・デイビス)を上手にコントロールする、妻の母マーリアを演じたジュディ・パーフィット、それにグリードの恋人ピーターことキリアン・マーフー
この映画、できれば予備知識をしっかり持ってみたほうが楽しめると思います。
予備知識でできたイメージを映画で確認する。そんな見方をしたほうが楽しめそうですよ。
Johannes Vermeer 1632-1675に関するHP